【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第20章 Until We Meet Again... ※
「私はこの力に生かされたのです」
「だが・・・それでお前の心臓が悪くなっているのだろう」
「・・・・・・・・・・・・」
サクラは迷っていた。
この力のせいで、心臓が限界を迎えていることを伝えるべきか。
リヴァイに隠し事はしたくないし、彼もきっとそう望んでいるだろう。
しかし、余計な心配をかけたくないのも事実。
それに何より・・・
兵士でありたかった。
その事は、誰よりもリヴァイが理解してくれているはず。
でも本当のことを言えば、きっと兵士を辞めるよう言うだろう。
誰よりも愛する人の言葉に逆らえるわけがない。
だから・・・本当のことを伝えるわけには・・・いかない。
まだ軽く触れ合ったままの唇。
吐息に混じる、僅かなアルコールの香り。
全てが愛しい。
サクラはそっと目を閉じ、微笑んだ。
リヴァイの表情を直接見ないよう、
そして、自分の感情を悟られないように。
「心臓への影響は、一時的なものです」
それは、サクラがリヴァイについた、
最初で最後の嘘だった。
その時、リヴァイがどのような表情をしていたのかは知らない。
ただ、寄せ合った胸からは静かな心臓の鼓動を感じていた。
どのくらいそうしていただろう。
先に口を開いたのはリヴァイだった。
「・・・じゃあ、大丈夫なんだな?」
「今日倒れたのは、筋肉量を上げたまま走ったからだと言われました」
「そうか・・・」
もう一度、熱がないか確かめるようにサクラの額を撫でる。
次に心臓に手を当てたが、その鼓動は規則正しかった。
「・・・心配させやがって」
最悪のケースすら考えていた自分が馬鹿馬鹿しい。
サクラが死ぬかもしれないと考えるなんて、どうかしているにもほどがある。