• テキストサイズ

【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第20章 Until We Meet Again... ※




「私はこの力に生かされたのです」

「だが・・・それでお前の心臓が悪くなっているのだろう」

「・・・・・・・・・・・・」

サクラは迷っていた。
この力のせいで、心臓が限界を迎えていることを伝えるべきか。

リヴァイに隠し事はしたくないし、彼もきっとそう望んでいるだろう。
しかし、余計な心配をかけたくないのも事実。
それに何より・・・

兵士でありたかった。

その事は、誰よりもリヴァイが理解してくれているはず。
でも本当のことを言えば、きっと兵士を辞めるよう言うだろう。

誰よりも愛する人の言葉に逆らえるわけがない。
だから・・・本当のことを伝えるわけには・・・いかない。


まだ軽く触れ合ったままの唇。
吐息に混じる、僅かなアルコールの香り。

全てが愛しい。

サクラはそっと目を閉じ、微笑んだ。

リヴァイの表情を直接見ないよう、
そして、自分の感情を悟られないように。


「心臓への影響は、一時的なものです」



それは、サクラがリヴァイについた、

最初で最後の嘘だった。



その時、リヴァイがどのような表情をしていたのかは知らない。
ただ、寄せ合った胸からは静かな心臓の鼓動を感じていた。

どのくらいそうしていただろう。
先に口を開いたのはリヴァイだった。

「・・・じゃあ、大丈夫なんだな?」
「今日倒れたのは、筋肉量を上げたまま走ったからだと言われました」
「そうか・・・」

もう一度、熱がないか確かめるようにサクラの額を撫でる。
次に心臓に手を当てたが、その鼓動は規則正しかった。


「・・・心配させやがって」


最悪のケースすら考えていた自分が馬鹿馬鹿しい。
サクラが死ぬかもしれないと考えるなんて、どうかしているにもほどがある。




/ 781ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp