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【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第20章 Until We Meet Again... ※




「でも、今なら思うんです・・・あの狼はやはり、みんなが言うように幻覚だったのだろう、と」


「サクラ・・・」


「そして、あの狼に出会った瞬間、私のリミッターは外れたのだろう、と」


温かい手が、リヴァイの頬を撫でる。


「貴方は覚えていないでしょうが、私がリヴァイ兵長を知ったのは調査兵団入団勧誘の時でした」
「・・・・・・・・・・・・」

いつもエルヴィン団長の傍らにいる、小柄な兵士長。
しかし、その強さは誰もが知るところで、畏れすら抱かれている。
大勢いる新兵の一人に過ぎなかった自分は、壇上にいるリヴァイをただ見上げていた。

「貴方を見るといつも感じていました。“あの時の狼に似ている”と・・・」
「俺が?」
「はい・・・特に、その瞳がそっくりで・・・」


やっとわかった。
何故、リヴァイが銀狼に似ていると思ったのか。


「狼は、兵長が持つ力そのものだったんです」


「体中から湧いてくるこのバカみてぇな力のことか・・・」


「はい・・・だから、兵長と狼が似ていて当然です」


制限されていた力を解放するための能力。
リヴァイと違い、サクラにとってその代償はあまりに大きかった。

でも、後悔は無い。


「そのおかげで、今こうして私は貴方に触れることができる」

「・・・・・・・・・・・・」

「貴方の孤独を癒し、貴方の世界を彩ることができる」


あの銀色の狼に出会ったおかげで・・・


「私は、リヴァイ兵長を愛することができる」


偽りのない純粋な言葉に、リヴァイの瞳が揺れた。
心から愛おしそうにサクラを抱きしめ、その唇にキスをする。


「もし狼に出会っていなければ、私はあの場で死んでいました」


極寒の中、志した兵士になれず・・・
リヴァイと出会い、愛されることの喜びを知ることすらできなかった。




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