【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第20章 Until We Meet Again... ※
サクラが帰ってきているだろうと予想していたのか。
リヴァイは特に驚いた様子は見せなかったが、少しバツが悪そうに眉をしかめた。
「・・・戻っていたのか」
「おかえりなさい、リヴァイ兵長」
椅子から立ち上がろうとしたサクラを止め、そのまま向かいの椅子に腰を下ろす。
心なしか、頬が赤いような気がした。
「どちらに行っていたのですか?」
「鍛錬していた・・・そのあと、医務室覗いたらお前の姿がねぇから・・・ミケと一緒に飲んでた」
「ふふ」
なんとなく思った通りの行動を取っていたことが可笑しくて、つい吹き出してしまう。
リヴァイは少し怪訝そうな目をしたが、サクラが元気そうだということが分かって安堵したようだ。
それまで険しかった表情が柔らかくなる。
そして、サクラから目をそらし、口を開いた。
「・・・初めてだった・・・」
「え?」
「お前に惚れてから初めて・・・顔を合わせるのを躊躇した」
いくら心配していたからとはいえ、サクラに対して酷い言葉をぶつけてしまった。
むしゃくしゃして鍛錬していても身が入らず、やはり気になって医務室に行ったらその姿はなく。
この部屋に帰ってきているのかと思ったら、二人きりになれる自信が無かった。
また、酷い言葉をぶつけてしまうのではないか。
また、異常な愛情で縛りつけてしまうのではないか。
そう思うと、とても真っ直ぐ部屋に戻る気にはなれず、ミケの所に行って酒を飲んできた。