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【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第20章 Until We Meet Again... ※




次の壁外調査に向け、これから作業場に行って研究をするというハンジと別れ、サクラは給湯室に向かった。
まだ不機嫌だろうリヴァイに紅茶を淹れてあげるために。

仲直りをしなくては。
自分のことを本当に心配してくれているからこそ、さっきはあれだけキツイ物言いになったのだ。
もう少し気持ちに余裕があれば、その事に気づいてあげられた。

「ごめんなさい、兵長・・・」

腕によりをかけて美味しい紅茶を淹れますね。
きっと小腹がすいているだろうから、焼き菓子もつけます。


「・・・あれ?」

給湯室まで来ると、少し開いたドアから細い光の筋が伸びていた。
そーっと覗いてみれば、オルオとペトラが何やら大騒ぎをしている。

「ほらまた零してやがる! 本っ当に不器用だな、テメェはよ」
「うるさいなぁ、黙っててよ!」

テーブルで何かの作業に没頭しているようだが、ここからはよく見えない。
ギャアギャア喚いているけど、とても仲が良さそうだった。


「酒が紅茶の中に直接入っているじゃねぇか、もったいねぇな」
「どうせ、それ目当てでここにいるんでしょ?! あっちに行ってて、集中できない」

いったい何をしているんだろう。
こちらの存在にまったく気がつく気配がない。

しかたなく、サクラは二人の背後から声をかけた。


「ペトラ、オルオ」

二人はギクリと体を震わせると、揃って恐々とサクラを振り返った。

「な、なんだ、サクラか。上官かと思ったじゃねぇか、驚かせるんじゃねぇよ!」
「ごめん。でも、何をしているの?」

オルオに舌を噛みそうな勢いでまくし立てられ、サクラは首を傾げた。

テーブルの上には、紅茶を淹れたティーカップ。
その上に銀製のスプーンが置いてある。

状況を飲み込めずにいると、ペトラがニコニコしながら教えてくれた。


「ティー・ロワイヤルの練習をしているの」


その手には、白い角砂糖とマッチ箱が握られていた。



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