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【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第20章 Until We Meet Again... ※





「サクラ」

冷たい夜風が吹いたのと同時に、ハンジは立ち上がった。
サクラの体もすっかりと冷たくなっている。

「ごめんね、随分と遅くなってしまった。もし体調に問題がないなら、そろそろ部屋に戻った方がいい」
「はい」
「リヴァイも拗ねているだろうからさ」

きっと今頃、憂さ晴らしに鍛錬でもしているだろう。
それともミケの部屋に押しかけて酒でも飲んでいるのか。

「ふふ、それじゃまるで兵長が子どもみたいじゃないですか」
「リヴァイは恋愛に関しては、まるで子どもだよ」


ハンジ自身もまともな恋愛をほとんどしたことがないから、人のことは言えないが・・・

サクラのことになると余裕がなくなるリヴァイには、いつも楽しませてもらっている。
今日も、倒れたと聞いて医務室に飛んできた時の表情はケッサクだった。
どうしていいか分からず、ドアの前をせわしなく行ったり来たり、時には壁を叩いている彼を何度宥めたことか。
リヴァイを崇拝している部下達が見たら、いったいどう思うだろう。


「初めて喧嘩した気分はどう? それとも口論は日常茶飯事なのかな」
「べ、別に喧嘩ってわけじゃ・・・」
困ったように俯くサクラに、ハンジは笑いを堪えきれなかった。
他人と比べたら僅かだが、リヴァイには素直な感情をぶつけているようだ。
「それでいいんだよ、サクラ。調査兵を長くやっていると、だんだん泣き顔と怒り顔ばかりになっていってしまうからね」
「・・・分隊長・・・」

「そして、終いにゃリヴァイのように無表情になる」

ハンジは逆に、笑顔でいることが多かった。
探究心で溢れた心には、怒りや悲しみの入る隙間などない。

すると、サクラが顔をあげて優しく微笑んだ。


「兵長は無表情だけど、何を考えているかすぐに分かりますよ」

「・・・そうだね」


その言葉を言える人間は多くない。
リヴァイが心を許した、ごく僅かの人間だけだ。







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