【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第20章 Until We Meet Again... ※
「私はね、リヴァイが好きなんだ」
「・・・・・・・・・・・・」
「誤解しないで欲しい、恋愛感情ではないよ。仲間として、友人として、彼が好きなんだ」
サクラは覚えていないだろう。
まだ訓練兵だった頃に、自分と顔を合わせていることを。
巨人に対して憎しみを持たず、優しい声で子守唄を歌う彼女に目を奪われた。
「サクラが入団した頃、専用の馬としてシェリーを渡したのは、君ならリヴァイを救えると思ったからだ」
「リヴァイ兵長を・・・救う?」
「そう。シェリーは、はっきり言って難しい馬だったんだよ。リヴァイの馬と双子でね、彼にしか懐かなかった」
「シェリーが? あんなに良い子なのに・・・」
するとハンジは懐かしそうに笑った。
リヴァイの気質によく似た雌馬をサクラに手渡したのは、ちょっとした賭けだった。
もし懐くようなことがあったら、あの気難しい兵士長も心を開くのではないか。
案の定、馬はサクラにすぐに懐き、リヴァイも心を開いた。
「リヴァイはずっと孤独だった。彼の周りにはいつも人がいたけれど、 誰にも気を許していなかった」
エルヴィンに調査兵団へ連れてこられた時、彼には二人の仲間がいた。
しかし、その仲間が最初の壁外調査で死に、部下を持っても心を開く前にみんな死んでいった。
そして、いつしかリヴァイは、自分だけが生き残ってしまっているということを忘れるため、快楽を求めるようになった。
暴力にも似た性行為は、自分も相手も苦しめた。
“ 気持ちいいとかはねぇよ。ただ、忘れられる ”
その現場を目撃したハンジにそう言ったリヴァイは、あまりにも孤独に溢れ・・・
思わず涙を流してしまった。