【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第20章 Until We Meet Again... ※
「まったく、リヴァイも困ったもんだね」
肩をすくめながら笑うハンジ。
夕陽がメガネのレンズに反射し、その表情が見えない。
本当に笑っているのか、それとも・・・
「本当にサクラのことが心配で仕方がないんだよ。愛情の裏返しってやつかな」
「ハンジさん・・・?」
「実は、私もサクラのことが心配でね」
コツンコツンとブーツのかかとが床にぶつかる音。
スラリとした体躯の分隊長が、サクラの横に立った。
「ずっと君の体のことで、疑問に思っていたことがあった」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「初めてそれに気がついたのは、ルドルフが死んだ時だ」
すべてを見透かす、深い茶色の目。
ハンジが言おうとしていることは、予想がついた。
おそらく誰も・・・リヴァイすら気づいていないことだろう。
でもこの人は、少ない情報から真実を導き出してしまう。
隠せ果せない。
そっと瞼を閉じ、心臓に手を当てた。
そんなサクラを見つめるハンジの瞳が揺れる。
「サクラ・・・貴方は・・・・・・」
燃えるような夕陽が差し込む部屋。
シガンシナ区が崩落したあの日と同じ空の色。
運命を受け入れる覚悟を、決める時がきたのだろう。
「・・・貴方の体は・・・・・・」
ハンジは一度唇を噛んでから、意を決したように口を開いた。