【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第20章 Until We Meet Again... ※
「お前が心臓を抑えながら倒れたと聞いて、俺の心臓が止まりそうになったじゃねぇか」
団長室で知らせを聞いて駆けつけると、サクラは治療を受けている最中だった。
何もしてやれない自分に苛立ち、拳で壁を何度も叩いてやりきれない気持ちを抑えていた。
「兵長、心配かけてごめんなさい」
「いや・・・気を失った時、そばに居てやれなくて悪かった」
「なぜ謝るのですか? そのあとずっと、ここにいてくれたのでしょう」
「・・・・・・・・・・・・」
心配かけないように笑顔を見せたものの、まだ残っている痛みは肋骨の中を広がり、背中にまで至っている。
こんなことは初めてだ。
いったいなんなんだろうか・・・
もしかして、あの時医師が言っていた“運命”が来たのだろうか。
だとしたら・・・私は・・・・・・
「あの・・・リヴァ」
「いいか」
サクラが言いかけたのとほぼ同時に、リヴァイも口を開く。
顔を上げると、眉根を寄せて自分を見つめる兵士長の視線とぶつかった。
「お前が倒れた理由についてはよく分からないそうだ。もしかしたら心臓に異常があるかもしれないと、医師は言っていた」
「・・・・・・・・・・・・」
「だから、原因がはっきりと分かるまでは、訓練に参加することを禁じる。次の壁外調査にも出るな」
「え?」
・・・といっても、第55回壁外調査の日程はもう決まっている。
陣形の演習だってすでに終わっているし、自分が抜けたら他に迷惑がかかる。
「私なら大丈夫です、兵長。少し疲れていただけです」
「お前は、少し疲れただけで心臓を抑えながら倒れるのか? なら、なおさら休養しろ」
「必要ありません、今日はたまたまです。だから私は・・・」
「たまたま?」
三白眼が冷たい色を放つ。
リヴァイは静かに苛立ち始めていた。