【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第20章 Until We Meet Again... ※
気がつくと、サクラは医務室のベッドに寝ていた。
開け放した窓の向こうには、西の空に沈もうとしている太陽。
赤く照らされたカーテンが揺れている。
誰かが開けておいてくれたのか。
いや・・・それよりも、何故自分はここにいる・・・?
呼吸をするたびに・・・胸が痛む。
「・・・・・・・・・・・・」
ぼんやりとした頭で天井を見上げた。
ああ・・・そうだ・・・
この光景は知っている。
いつだったか・・・アルバートに強姦された時のようだ。
あの時もこうして医務室のベッドに寝ていて・・・
少し離れたところに置いてある椅子には・・・
ゆっくりと首を動かし、その場所に目をやる。
そして、サクラの口元に笑みが浮かんだ。
小柄な体。
きちんと整えられた黒髪からのぞく、端正な顔立ち。
脚を組み、片腕を椅子の背もたれにかけている。
ああ・・・やはり、あの時と一緒だ・・・
避妊のために水銀を飲んだ私を心配して、ずっとついていてくれた貴方。
「リヴァイ兵長・・・」
「・・・!」
サクラの声に、それまで微睡んでいたリヴァイがパッと顔を上げた。
神経を尖らせていたのだろう、顔をしかめながらベッドの側までやってくる。
「サクラ! お前、大丈夫か?」
「はい」
よほど心配していたのか、いつもより目の下のクマが濃くなっている。
眉間のシワもいつもより深い。
「ずっと意識が無かったんだぞ」
それでもサクラの顔を撫でて体温を感じると、ほんの少しだけ安堵したような表情を見せた。