【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第20章 Until We Meet Again... ※
「サクラ!!」
ある日の訓練中、女兵士の叫び声が突然響く。
持久力をつけるために、重石を背負って10キロの長距離走をしている最中の出来事だった。
ドクンッと心臓が破裂するような感覚に見舞われる。
訓練をする前は普段と変わらなかった。
特に熱があったわけでないし、ダルさも無かった。
しかし、10人ほどのグループで勾配がある林道を走っていると、突然胸部の激痛がサクラを襲った。
それは呼吸すらままならないほどの痛みで、胸を抑えながら倒れこむ。
「どうしたの?!」
「・・・ッ・・・!」
まるで硬い石が心臓を抉るように押し付られているようだ。
意識が徐々に遠くなっていく。
左半身を下にして倒れながら、充血した瞳で空を見上げた。
なぜか血のように赤く感じる。
まるで、シガンシナ区が崩落した日のようだ。
今はまだ正午前だというのに・・・
「サクラ、しっかりして!」
ドクン・・・
ドクン・・・ドクン・・・
鼓動の音が、やけに耳障りだ。
痛みを助長しているように思える。
苦しい。
痛い。
リヴァイ・・・兵長・・・・・・
「サクラ・・・!!」
周囲の声がだんだん遠くなり、重い沈黙に包まれる。
そして、気を失った。