【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第19章 Dear My Father... ※
これほどまでに儚くて、美しいとは・・・
「・・・・・・・・・・・」
ペトラの瞳に映ったもの。
それは・・・
人類最強と謳われたリヴァイの、透明な涙だった。
「兵長・・・泣いて・・・」
ペトラの頬に、その一雫が落ちる。
あの日・・・
第55回壁外調査から戻ってきたリヴァイの顔に、涙の跡は無かった。
しかし、今は綺麗な涙の玉があとからあとからこぼれ落ちてくる。
「ああ、兵長・・・」
貴方はずっと気持ちを張り詰めていた。
そうすることで、“兵士長”としての自分を保ってきた。
でも今は違う。
原始的な欲望に身を委ね、貴方は人類を護るという重圧を忘れることができた。
他人に悟られないよう、押し殺してきた感情を吐き出すことができた。
大粒の涙で濡れるリヴァイの両頬を優しく包む。
貴方は、嗚咽は上げず・・・とても綺麗な顔で泣くのですね。
溢れる涙はとどまることを知らず、降り続く雨のように天を仰ぐペトラの顔中を濡らしていく。
そして、リヴァイはペトラの中で果てた。