【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第19章 Dear My Father... ※
「リヴァイ兵長」
ペトラの声で我に返る。
手淫で快感を引き起こしていたリヴァイだが、その表情は絶望に溢れ、悲しみを漂わせていた。
「サクラのことを思い出していたんですね」
「・・・・・・・・・・・・」
「気にしないでください。きっと貴方は自分を慰めることも忘れて、悲しみに耐えていたんでしょう?」
ペトラはこんなにも優しく微笑むのか。
初めて見る部下の表情に、リヴァイの瞳に熱が帯びる。
「私を抱いて、溜まってしまったものを吐き出してください」
精液も、悲しみも。
貴方にのしかかる悲しみの重圧が、少しでも軽くなりますように。
「ペトラ・・・」
促されるまま覆いかぶさり、その頬に唇を這わせる。
クチュリと性器同士が擦れる音がした。
「ん・・・兵長・・・」
リヴァイが入ってこようとしている。
それだけで嬉しくて、涙が溢れてくる。
しかし、気持ちとは裏腹に、身体はそれを拒んだ。
「オイ・・・少し力を抜け」
挿入しようとしても、押し戻されてしまう。
何より、その入り口が固く閉じられている。
「痛っ・・・」
強引に押し広げて挿れようとすると、ペトラが悲鳴を上げた。
その様子に気づいたリヴァイは、眉根を寄せながら部下に目を向ける。
「お前・・・もしかして処女か?」
部下の性事情など興味はないが、なんとなくペトラは経験しているものだと思っていた。
しかし顔を赤らめて頷く彼女を見て、リヴァイの眉間からシワが消える。
「そうか・・・悪かった」
「へ・・・兵長?」
二人分の体重を支えていたベッドが、ギシリと音をたてた。
リヴァイはペトラから離れると、その体にシャツをかける。
「お前が処女ならば、俺が抱くわけにはいかない。本当に捧げたい奴が現れるまでとっておけ」
「え・・・?!」
それはまったく予想していなかった言葉で、理解するまでに時間がかかった。
まさかリヴァイが処女性を大事にするとは。