【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第19章 Dear My Father... ※
真後ろにあるのは第一兵舎。
二階の端にある、閉め切った窓の向こうに真っ白なカーテンが見える。
「そうか・・・兵長はいつもあそこから・・・」
何故、リヴァイがいつも窓を開け放していたのか。
何故、リヴァイはもはや窓を閉め切ったままにしているのか。
その理由が分かり、胸が締め付けられる。
「サクラ・・・」
風に乗って聞こえてくる貴方の声に、リヴァイ兵長はとても優しい目をしていた。
貴方の存在は、彼にとってどれほどのものだったか。
「本当に・・・どうしてあの遠征で、貴方は・・・」
虚しいだけの問いかけ。
答えが返ってくることはない。
それに、今はその答えを探しても仕方が無い。
自分がすべきこと・・・いや、したいことは分かっている。
オルオの狂喜する声が聞こえてきた。
その方へ目を向ける。
「ねぇ、サクラ・・・私にも貴方の大切なものを守らせて」
あの閉め切ったままの窓が、いつかまた開くように。
白いカーテンが揺れる、穏やかな世界があの人に再び訪れるように。
「私は何でもするから」
だからどうか・・・
リヴァイ兵長のお側で、この命を懸けることを許して。
ペトラは燃えるような空を見上げ、許しを請うようにそっと目を閉じた。