【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第19章 Dear My Father... ※
リヴァイの執務室から出ると、ちょうどオルオがやってきた。
どこで油を売っていたのかは知らないが、兵士長からの呼び出しとあって文字通り血相を変えながら階段を駆け上がってくる。
「オルオ」
「ペトラ! 悪ぃがお前に構ってるヒマはねぇ! リヴァイ兵長から呼ばれてんだ」
「あ、そう」
リヴァイを崇拝しているオルオは、ノックもおざなりに執務室のドアを開け、中に飛び込んでいった。
まさか、あのバカも兵長に指名されるのだろうか。
・・・ということは、また同じ班になるのか。
ウンザリするような、ホッとするような、複雑な気持ちになる。
「わあ・・・」
第一兵舎を出ると、真っ赤な夕陽が目の前に広がった。
「まるで空が燃えているみたい」
そういえば、トロスト区襲撃事件で調査兵団が駆けつけた時もこんな空だった。
街中を歩く巨人の群れへ、真っ先に飛び込んで行ったリヴァイの姿を思い出す。
「兵長・・・」
中庭を横切っていると、ふと花壇の所で足が止まった。
しばらく手入れがされていない花壇は、乾いた土の上で枯れた花が寂しく揺れている。
「あ・・・」
ペトラはあることに気がつき、来た道を振り返った。