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【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第19章 Dear My Father... ※




「・・・どうした」

部屋に入るなり押し黙ったペトラに、リヴァイが熱の無い三白眼を向けてくる。

「いえ、なんでもありません。何かご用でしょうか」
「ああ・・・オルオも呼んでるんだが、アイツはどうした」
「オルオならどこかで油を売っているんでしょう。探してきましょうか?」
「いや、いい」

静かに椅子から立ち上がると、ペトラに歩み寄った。
身長は僅かにリヴァイの方が高いだけなのに、こうして向き合うと自分がとても小さく思える。
それは、彼への畏敬の念がそうさせているのか。

「・・・・・・・・・・・・」

お願い・・・
どうか、顔が赤くなっていることを悟られませんように。


「ペトラ・・・聞いておきたいことがある」


閉め切った部屋。

太陽が傾き、少しずつ暗闇が広がる。


「お前は、俺を信じるか?」


「え・・・?」


思わず見上げると、そこには真剣なリヴァイの瞳があった。


「お前を丸腰にして巨人の前に放り出したり、命の限り誰かを守れと言っても、お前は俺に従うことができるか」


「リヴァイ・・・兵長・・・」

ドキドキと、心臓がものすごい速さで鼓動している。
リヴァイはそれに気がついているのだろうか。

「お前も知ってるだろうが、トロスト区の外門が塞がれてしまったことで、新たな兵站拠点作りのための壁外調査が計画されてる」
「は、はい」
「さらに、エレン・イェーガーが人類にとって有益な存在であることを、すぐにでも証明しなければならない」

エレン・イェーガー・・・
顔は知らないが、巨人に変身するという新兵のことか。

「そこで、エレンが中央の奴らに認められるまで、あのクソガキにキズ一つ付けないよう尽くす奴が必要になった」
「彼を守る、ということですか?」
「だが、前回の壁外調査で俺の部下が数人死んだ・・・あいつらの代わりとなる精鋭が必要だ」

ペトラから目を離し、机の上にある書類に目を向ける。


「・・・討伐10体、討伐補佐48体・・・申し分のない戦績だ」


それは、ペトラがこれまでの壁外調査で倒した巨人の数。




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