【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第19章 Dear My Father... ※
「リヴァイ兵長・・・」
花壇をあとにし、中庭から廊下に入るところで来た道をふと振り返る。
すると丁度、リヴァイがサクラの髪を撫でながら、唇にキスをしているところだった。
ほんの一瞬の、掠めるようなキス。
だけどサクラは嬉しそうに笑っていた。
ああ、サクラ・・・
貴方は世界で一番幸せな女性よ。
リヴァイ兵長に愛されている、ただそれだけで。
だからどうか、その幸せを大切にして欲しい。
いつまでも・・・いつまでも・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・」
ペトラはそっと微笑むと、とびっきりの紅茶を準備するために給湯室へと向かった。
リヴァイにお茶を淹れる。
それは、この世界で自分だけに与えられた特権。
この胸に秘めた想いは届かなくても・・・
ペトラもまた、幸せだった。