【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第19章 Dear My Father... ※
「き、聞きたいことがあるの」
雑草を丁寧に抜いているサクラの隣にしゃがむ。
そんなペトラに、少し意外そうな目を向けてきた。
「ペトラが私に? どんなこと?」
「あの・・・」
いつからリヴァイ兵長と恋人同士だったの?
私、見ちゃったんだ。
サクラと兵長がセックスしているのを。
「ペトラ?」
「う、ううん、何でもない!」
それを聞いてどうしようというんだ。
サクラはきっと戸惑うだろうし、これからの関係がギクシャクしてしまうかもしれない。
兵長に愛されているのは悔しいけれど・・・
「私はサクラが大好きだよ」
「え・・・?」
「サクラとはずっと友達でいたい」
同じ年だけど、ペトラの方が早く調査兵団に入団し、階級も上だ。
でも、ずっと友達だと思っていた。
その関係を壊したくない。
「だから、サクラの大事なものを私にも守らせて」
リヴァイ兵長が貴方の大事な人だってことは分かってる。
でも、あの人にお茶を持っていく時間は、私にとってかけがえのないもの。
どうかこれからもそれを許して欲しい。
「ペトラ・・・」
両膝に顔をうずめ、消え入りそうな声で言ったペトラを、サクラはしばらく見つめていた。
どうしてそんなことを言い出したのか分からない。
ペトラはいつも明るく、上からも下からも厚い信頼を寄せられている。
心から尊敬している彼女の力になりたいという気持ちは、自分だって同じだ。
もし、彼女が大事なものを失いそうになれば、自分はきっと身を投げ出してそれを守るだろう。
「・・・ありがとう、ペトラ」
ペトラの本当の想いは分からないけれど・・・
嬉しかった。
サクラの表情が、戸惑いから笑みに変わったその瞬間。