【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第19章 Dear My Father... ※
あれから三年。
私は、少しでも貴方に近付くことはできたのでしょうか。
「第56回壁外調査を開始する! 前進せよ!」
重い門が少しずつ開き、壁の向こうの景色が飛び込んでくる。
これで何度目の壁外になるだろうか・・・
今回はいつもと何かが違った。
外門を出てからすぐに巨人の群れと遭遇。
それは想定内のことで驚きはない。
しかし、妙な胸騒ぎを覚えた。
少し行った所で、やや後方で応援を求める信煙弾が打ち上げられた。
あそこにいるのはリヴァイ班。
いくら精鋭が集まっているとはいえ、巨人の数によっては苦戦を強いられるだろう。
班長のミケから“行ってやれ”という目配せを受け、ペトラは馬から飛び降りた。
途中、居合わせた数名の兵士にも声をかけ、煙が立ち昇る場所へと急ぐ。
屋根を飛び移っていると、リヴァイと出会った時のことを思い出した。
私はもう、巨人を見て漏らすような弱虫ではない。
リヴァイ兵士長を支えたい。
「だって、兵長は・・・」
前回の壁外調査で、リヴァイが初めて見せた姿を思い出した。
兵士長が“あんな”言動を取ると、誰が予想しただろうか。
団長の苦悩した顔、ハンジ分隊長の涙。
忘れたくても、今も目に焼き付いて離れない。
「サクラ・・・」
胸が苦しくなって、唇を噛む。
だけど、今は余計な思念に囚われれている場合ではない。
前方に数体の巨人が集まっている、きっとあそこだ。
すると、まさにリヴァイが1体の巨人を倒したところだった。