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【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第19章 Dear My Father... ※



「後ろだ、ペトラ!」

エルドの叫び声で、背後に別の巨人がいることに気がつく。
自分との距離は10メートルもない。
ミケは他の巨人を相手にしている。エルドとは離れすぎている。オルオは頼りにならない。

自分でやらなければ!

なけなしの勇気を振り絞り、立体機動で建物の屋根に飛び上がろうとした。


パシュッ

アンカーはちゃんと壁に刺さったようだ。
しかしバランスを上手く取れず、転がるようにして屋根に辿り着く。

「あっ!」

突然、ずるりと体が下に引っ張られた。
見ると、巨人がペトラを屋根から引き摺り下ろそうと右足を掴んでいる。

「ひぃ!」

殺される・・・!
そう思った瞬間だった。


パシュッ!


自分のものではない立体機動装置の音。
涙で滲んだ視界に、天から一羽の鷲が、大きなモスグリーンの翼を広げながら舞い降りるのが映った。

旋風が吹き荒れる。

巨人にその姿を捉える暇も与えず、鋭い刃が肉を深く抉った。
大きな手がペトラの足首を離し、地鳴りのような呻き声を上げながら倒れていく。


「・・・・・・・・・・・」


軽やかにペトラの前に降り立った、鷲。
いや・・・人だ・・・


ああ、この人は・・・


「オイ・・・大丈夫か」


自由の翼が揺れる。
モスグリーンのマントを翻し、ゆっくりとペトラを振り返った。

黒髪の間からのぞく、冷ややかな三白眼。


こんなに近くで見るのは初めてだけど、間違いない・・・・・・



「リヴァイ・・・兵長・・・」



この人が来たから、もう大丈夫だ・・・



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