【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第4章 Geranium
「・・・てことは・・・その、私が実験をしてもいいの?」
「調査兵団で預かっている間だけだが」
「ぃやったぁ~!」
ハンジは嬉しそうに飛び上がった。
「なんだよ、最初からそう言ってくれればいいのに!2週間じゃ足りないけど、まぁいいわ」
「エルヴィンはもともとこういう奴だ。お前も知っているだろ、コイツの性根がクソ以下なのは」
「おい、リヴァイ。それは言い過ぎだろ、これでも随分尽力したんだぞ」
エルヴィンは“心外だな”と肩をすくませて見せた。
昔からこうだ。
エルヴィンは本心の見えない奴。
ハンジは裏が無さ過ぎる奴。
2人と一緒にいるのは悪くない、と思っていた。
だが・・・
それでも、この世界は色がない。
息苦しい。
リヴァイはぼんやりと窓の外を眺めた。
一羽の鳥が、空を飛んでいる。
やはり、ここもあの夢と変わらない。
なぜ、いるのか。
なぜ・・・誰もいないのか。
「リヴァイ」
エルヴィンの声で我に返る。
「お前、実験の監視役になれ」
「なぜ、俺が」
「暴走しないようにだ。実力を行使してもいいぞ」
「・・・それは、巨人とメガネのどっちにだ?」
「時と場合によるな」
今度はハンジが“心外だな”とむくれた。