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【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第4章 Geranium



「ちょっと、エルヴィン!話が違うよ!」

ドンッと机を叩く音で、リヴァイは目が覚めた。

あぁ、ここはエルヴィンの執務室か。

昨晩、時々見る悪夢のせいでよく寝れなかったリヴァイは、いつの間にかエルヴィンの部屋のソファーでうたた寝をしていた。
見るとハンジが物凄い形相で机越しにエルヴィンを睨みつけている。

「巨人の実験に関しては、私が全指揮を執るはずでしょ?なのに、なぜ政府の奴らの指示に従わなければならないんだ!」
「何度も言っているだろう、ハンジ。巨人の捕獲に成功したのは、ここ数十年で初めてのこと。人類にとって貴重な被験体だ」
「だからなに?私達が命掛けで捕獲したんだ。犠牲になったのは私達の部下だよ!なぜ何もしなかった政府や中央憲兵が出てくるんだ」

何となく話の筋がリヴァイにも読めてきた。
要するに、捕獲した巨人を政府に引き渡せということなのだろう。
ハンジがゴネるのも無理はない。

「ハンジ。今回の捕獲作戦で使用された対特定目標拘束兵器は、その政府の出資無しでは開発・実用までこぎつけられなかった。捕獲した巨人の所有権は向こうにある、そういう条件だっただろう」
「でも・・・私は納得できない・・・リヴァイからも何か言ってよ!」
「俺は関係ない。というか俺を巻き込むな、クソメガネ」

まったく、どうしてこいつは巨人のことになると見境が無くなるのか。
リヴァイは深いため息を吐いた。
そして、冷めた目つきでエルヴィンを見る。

「おい、エルヴィン。お前のことだ、大人しく巨人を政府の豚共に渡す気などないんだろ?」

するとエルヴィンは口の両端を上げた。

「まあな。巨人の引き渡しは2週間後だ。その間に“何があっても”責任は俺が取る。例え、どこかの熱心な兵士がいじくり回して殺してしまっても、な」
「え・・・?」
ハンジが目を丸くした。
怒りで赤くしていた頬を、別の意味で蒸気させる。
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