• テキストサイズ

【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第18章 Till Death Do Us Part ※







温かい腕に包まれながら、閉じた瞼の向こうに薄桃色の世界が広がる。

リン・・・と鈴の音がした。



“ サクラは大きくなったら何になる? ”


ああ・・・とても懐かしい声。
優しい気持ちになる。


“ 私は、お兄ちゃんのお嫁さんになりたい ”


“ じゃあ、サクラが大きくなってもステキな人に出会えなかったら、僕のお嫁さんになってね ”


“ お兄ちゃん以上にステキな人なんていないよ ”


“ いくらでもいるさ。それだけじゃない、誰よりもサクラのことが大好きって言ってくれる人がね ”


あどけない夢を語る子どもの頭を、お兄ちゃんは優しく微笑みながら撫でてくれた。
その子どものせいで命を落とす運命にあることを知らずに・・・

地下で惨殺されたお兄ちゃんは、私を責めたりはしなかった。
それどころか、私の幸せを願ってくれた。



“ サクラはもう、本当にお嫁さんになるべき人と出会ったよ ”


お墓の前で聞こえてきた、お兄ちゃんの声。
私が“誰?”と聞いても、その人の名前を教えてはくれなかった。


“ 残念ながらその人もサクラも気づいていない。でも、その人はサクラを待っているよ ”


でも、私が結ばれたのはお兄ちゃんの知らない人。
大人になって、調査兵団に入団してから出会った人だった。


“ いずれまた出会うその人が、きっと俺の理想を形にしてくれるから ”


そう願っていた、調査兵のお兄ちゃん。
誰よりも壁外に興味を抱き、壁内の人類の未来を憂いていた人。

そして私は今。
壁外で圧倒的な力を発揮し、壁内の人類の希望となっている人のお嫁さんになった。


「お兄ちゃん・・・きっと祝福してくれるよね・・・?」


この人ならお兄ちゃんの理想を形にしてくれるかもしれない。



リン・・・と、再び鈴が鳴った。






/ 781ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp