【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第18章 Till Death Do Us Part ※
「太陽を・・・直視するような気持ちなのかもしれない」
「太陽・・・?」
「ずっと暗い所にいるとその光は強烈で、思わず目を逸らしたくなる。でも、それがねぇと生きていくことができない」
地下で暮らしていた経験があるからこそ、それを誰よりも知っている。
「憧れであると同時に・・・恐怖でもある・・・俺にとってお前はそういう存在だ」
「・・・・・・・・・・・」
「だから、容姿や実力は関係ない。例えがおかしいと、笑われても仕方ねぇが・・・」
すると、サクラが微笑みながら両手でリヴァイの頬を包んだ。
「いいえ。ありがとうございます、すごく・・・嬉しい」
その笑顔にたまらず、体を抱き寄せて額にキスをする。
同時に、自分の背中に回る柔らかい手。
ああ、こんなにも愛しい存在があるとは。
どうすればこの時間が永遠に続くのだろう。
“ 死が二人を分かつまで、命の日続く限り彼女を愛し、慈しみ、守ることを誓うか? ”
“ ああ、誓おう ”
誓いをたてたところで、口から出る言葉など、何の意味もなさない。
実態がなく、確証もない。
「サクラ」
明日、もしかしたらウォール・ローゼに辿り着く前に死ぬかもしれない。
それなのに・・・
人は何故、
想いを言葉にして、誓いをたてるのだろう。
明日が必ず訪れるという確証はどこにもない。
でも、だからこそ今を大切にしなくてはいけないんだ。
ステンドグラスがはめられた窓から、かろうじて差し込んでいた月の明かりが消えた。
世界は今、深い眠りに落ちている。
「お前をここで抱いてもいいか?」
静寂に包まれながら頷いたサクラの顎をそっと持ち上げ、口付ける。
「・・・愛してる」
エルヴィンが先導してくれた誓い。
ミケが用意してくれた寝台。
ハンジが飾ってくれた花。
仲間の愛情と祝福がここには溢れていた。
この瞬間にも消えていく命がある。
悔いを残してはいけない。
「私も愛してます」
二人は結ばれようとしていた。