【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第18章 Till Death Do Us Part ※
“ 俺の運命を犠牲にしても、お前を愛す。だからそばにいて欲しい ”
巨人と戦うこと、それを自身の運命と定めたリヴァイ。
その運命は、人類にとって希望でもあるのに・・・
捨てても良いというのか。
人類よりも、サクラ一人を選ぶというのか。
「リヴァイ兵長」
本当に私で良いのですか。
不安げな顔でその名を呼ぶと、リヴァイはゆっくりと振り返った。
「どうして私を選んでくださったのですか?」
「・・・・・・・・・・・・」
「容姿も、実力も、経験も乏しい自分が何故、貴方に愛してもらえるのかわかりません」
「・・・・・・・・・・・・」
リヴァイは黙ったまま、じっとサクラを見つめていた。
繋がれたままの手の温度が、微かに上昇する。
そして、ゆっくりと口を開いた。
「・・・それが分かったら、とっくにお前に伝えてる」
顔が好みだったのかもしれない。
扱いやすい性格だと思ったのかもしれない。
性欲が溜まっていただけかもしれない。
ただハンジがくっつけようとしたからかもしれない。
しかし、どれも違う気がする。
サクラがそこにいる、それだけで・・・
瞳はその姿を映そうとし、
唇はその名を呼ぼうとし、
腕はその体を抱きしめようとし、
心はその全てを欲してたまらなくなる。
「何故か・・・俺はずっとお前に圧倒されてきた」
「圧倒・・・? 私が、リヴァイ兵長を?」
「うまく説明できねぇ・・・ここにエルヴィンが居てくれれば良かったんだが」
「大丈夫です、兵長。ちゃんと聞いてますので、ゆっくりでいいから教えてください。貴方の言葉で・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
ほら、まただ。
また自分は圧倒されている。
しばらく沈黙が続き、そしてようやく耳に届く程度の声がリヴァイの口から漏れる。