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【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第18章 Till Death Do Us Part ※





なんて静かなんだろう。
まるで、この世界に二人きりでいるようだ。



初めてリヴァイを知ったのは、調査兵団に入団した夜だった。


“ 足を引っ張るような奴は俺の班に入るな。さっさと巨人のクソにでもなってろ ”


エルヴィンの傍らに立ち、集まった新兵達にそう言い放った、人類最強の兵士。
独特の冷たさを持った人、それが第一印象だった。



「サクラ、顔を見せろ」

細い月明かりの中で、優しく頬を撫でる。



二人が出会った頃、リヴァイは孤独だった。

仲間の死を数多く見てきたからこそ、自分の側に置く人間は選別する。
そんなリヴァイを理解できないと言う人もいた。

でも、今なら分かる。

リヴァイは、他人の命をその肩に背負おうとする。
直属だろうが、そうでなかろうが、部下の死は酷く悲しむし、仲間に危険が及ばないようにいつもさりげなく立ち回っている。

もしかしたら、“死”を一番恐れているのはリヴァイなのではないか。


“ お前の実力がどうかは重要じゃない。俺は、お前を指名した ”

“ 俺の班に入るために必要なことは・・・俺を信じることができるか、だ ”


サクラが兵士としてリヴァイに選ばれたのは、桜を見せてくれたあの時だけだった。
いや・・・結局、正式にリヴァイ班に指名されてないから、兵士として選ばれたわけではない。



「中に入るぞ」

サクラの手を引いて、礼拝堂の扉を開ける。
たくさんのロウソクとゼラニウムが織り成す、幻想的な世界が目の前に広がった。

これだけの花を集めるのは、どれだけ大変だっただろう。
それでも喜んで手伝ってくれる仲間がいるというのは、彼の人柄の賜物か。

この冷んやりとした手は、多くの温かい手によって包まれている。



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