【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第18章 Till Death Do Us Part ※
礼拝堂の外に出ると、間も無く深夜になろうとしているせいか、辺りは重く静まり返っていた。
サクラとリヴァイは、裏につないでいた馬達の所へ行き、先に野営地へ戻る三人を見送る。
すると、シェリーの背中に乗せてある鞍に、立体機動装置があることに気がついた。
「うっかり寝過ごして朝になってしまったら、巨人と戦わなければいけないでしょ」
「ハンジ分隊長・・・!」
「だけど、そうならないようにちゃんと夜明け前に帰ってくるんだよ」
「は、はい」
こうして野営地から離れた場所に二人残していけるのも、リヴァイがそれだけ信頼されているという証拠か。
リヴァイはハンジに歩み寄ると、ボサボサの頭を掴んだ。
「ハンジ」
「いたたた、何?」
「俺は、もう二度と人を傷つけるようなセックスはしない。相手も・・・自分もな」
「リヴァイ・・・」
「すべてお前のおかげだ」
リヴァイの馬の片割れをサクラに渡したところから、すべては始まった。
あれだけ荒涼としていた世界で孤独に生きていたリヴァイが、今は温かくて優しい風に包まれている。
それだけじゃない。
仲間として自分を温かく見守り、この調査兵団の中に居場所を作ってくれた。
普段は変態クソメガネと罵っているが、心から感謝している。
「・・・・・・・・・・・・・・・」
暗闇の中に消えていく上官三人を見つめながら、サクラは兵士長の手を強く握った。
「怖いのか?」
その手を握り返し、優しく目を細めるリヴァイ。
ああ、これからはずっとこの人のそばにいることができるんだ。
そう思うと、あらためて幸せが込み上げてくる。
「いいえ。貴方と一緒なら、何も怖くありません」
「そうか・・・」
リヴァイはそっとサクラを抱き寄せると、月明かりの下でその唇にキスをした。