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【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第18章 Till Death Do Us Part ※




「さてと、そろそろ野営地に戻ろう。さすがに残してきた兵団が心配だからな」

夜中といえど、壁外の地で団長、分隊長、兵士長がそろって不在のまま、兵士達をいつまでも放っておくわけにはいかない。
エルヴィンは畳んでおいた遠征用のマントを羽織りながら言った。

「分かった、じゃあ馬を連れてくる」
「いや、リヴァイはいい」
「?」
首を傾げたリヴァイの肩を、エルヴィンは意味深に微笑みながら叩く。

「お前はもう少し、サクラと水入らずの時間を過ごしたいだろう?」

「・・・あ?」

エルヴィンの合図を受けたミケが、納戸からシーツとクッションを持ってくると、ちゃっちゃと祭壇の上に即席のベッドを作り始める。

「・・・おい、いつの間にそんなもん用意した?」
リヴァイが横目で睨むと、団長はフフンと鼻を鳴らした。
「調査兵団御用達のマントをナメるなよ、リヴァイ。これくらいの荷物など、簡単に隠し持つことができる」
「・・・どうせ、シーツだけだろ」
「バレたか。まあ、クッションはさっき俺が納戸に隠れている時に見つけたものだ。少々埃を被ってはいるが、使えないこともない。シーツを上にかければ問題ないだろう。潔癖症なお前への、ささやかなる配慮だ」
「それはありがたいが・・・この場所で、しかも祭壇の上でヤるのはどうかと思うが・・・」
「おや、リヴァイも意外と道徳を気にするんだな。しかし、俺は何もここで性行為をしろとは言っていない。ただ、“水入らずの時間を過ごせ”と言っただけだ」
「・・・・・・・・・・・・」

何故か楽しげなエルヴィンに、リヴァイは呆れたように肩をすくめた。
すると今度はハンジがまとわりついてくる。

「いいじゃない。“初夜”は一緒に過ごすものだよ? 壁内だろうと、壁外だろうとね」
「オイ・・・お前まで楽しんでるな?」
「楽しいよ。だって・・・」
メガネの奥の瞳を優しく揺らし、リヴァイとサクラを交互に見る。


「大事な友人が、大事な部下と幸せになろうとしているんだ。これ以上嬉しい事はないよ」


その言葉に、リヴァイの表情が変わった。
サクラもまた、ハンジの優しさに胸が一杯になる。


自分は・・・自分達は、なんて素晴らしい人達に囲まれているのだろうか、と。






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