【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第18章 Till Death Do Us Part ※
「おめでとう! リヴァイ、サクラ」
心から喜んでくれているのだろう。
そう言ったハンジの目には、うっすらと涙が浮かんでいた。
「ねぇ、リヴァイ・・・今、君の目に見えているこの世界に、“色”はある?」
その言葉を聞いた瞬間、リヴァイの瞳が大きく開いた。
ハンジは何かを思い出しているのか、懐かしそうに微笑む。
すると、リヴァイも恐らくハンジと同じ事を思い出したのだろう、そっと真っ暗な天井を見上げて目を細めた。
「ああ・・・そうだな・・・」
“ 俺はこのクソみてぇな世界に生まれた時から、人の温もりとやらを感じたことがない ”
隣にいるサクラの手を握り、その温もりを感じる。
「この世界はとても綺麗だと思う。彩ってくれる存在が・・・ここにいるからな」
“ 俺にしてみれば、この世界はすべてクソだ。汚ぇ色の一色で、空気も臭ぇ・・・だが、きっとそれだけじゃねぇ ”
「ありがとう、ハンジ」
“ お前達と一緒にいれば、いつか出会えるかもしれねぇ・・・ ”
この世界も悪くないと思えるような、景色を見せてくれる。
優しい温もりを教えてくれる。
そんな存在と出会うことができた。
「どういたしまして」
リヴァイを温かく見つめ、自身の平らな胸に手を置く。
何故、ハンジがそのような質問をしたのか。
何故、リヴァイがハンジに礼を言ったのか。
エルヴィンも、ミケも、そしてサクラもその理由は分からなかった。
ただ、ハンジは本当に嬉しそうな瞳をリヴァイに向けていた。