【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第18章 Till Death Do Us Part ※
普通の男女が交わすような、甘く幸せな結婚の誓いでは無いかもしれない。
それでもお互いを深く愛し、受け入れている二人を静かに見守っていたエルヴィンが口を開いた。
「では、私が二人の上官として、仮の誓いだが司式者となろう」
祭壇まで歩み寄るとリヴァイの肩に手を置いて微笑む。
「リヴァイとサクラの婚姻は、調査兵団が認める」
細い月明かりと柔らかいロウソクの光を浴びながら、団長は兵士長とその妻となる兵士の手を取った。
ミケとハンジも姿勢を正し、それを見つめる。
「リヴァイ。君はサクラと結婚し、王の定めに従ってここにいる調査兵団団長、分隊長の前で婚姻を結ぼうとしている。君は幸せな時も、困難な時も、健やかなる時も、病める時も、死が二人を分かつまで、命の日続く限り彼女を愛し、慈しみ、守ることを誓うか?」
「ああ、誓おう」
そう答えたリヴァイの目には迷いが無かった。
エルヴィンは頷くと、今度はサクラの方に目を向ける。
「サクラ。君は死が二人を分かつまで、命の日続く限り彼を愛し、慈しみ、守ることを誓うか?」
「はい、誓います」
リヴァイを見上げると、とても優しい瞳で見つめてくれていた。
心の底から幸福感が込み上げてくる。
すると、エルヴィンは胸元の自由の翼に手を置き、声を高く上げる。
「これを祝賀して曰く! 天よこの二人を護りたまえ! 二人が末永からむことを!」
ミケとハンジも自由の翼に拳を置き、敬礼をした。
リヴァイはそっとサクラを抱き寄せると、たくさんのゼラニウムに囲まれながらその唇にキスをする。
正式な婚姻では無い。
しかし今、ここに調査兵団に認められた夫婦が生まれた。