【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第18章 Till Death Do Us Part ※
「まあ・・・壁内で挙げる正式な結婚式は、巨人をすべて始末した後、もしくはお前が兵士として使い物にならなくなった後でいいだろ」
「え・・・?」
「そうじゃねぇと、互いに落ち着けないしな」
「あの・・・人類が巨人に勝利する日までとっておくのは分かりますが・・・私が兵士として使い物にならなくなったら、というのは・・・?」
するとリヴァイは顎を上げ、青みがかった三白眼でサクラを見つめる。
「お前が兵士を辞める時はおそらく、日常生活にすら支障が出るような体になった時だろう。手足の一本失うくらいならまだいいが・・・」
性器から下を喰い千切られても、顔面半分をグチャグチャにされても、生き延びる兵士はいる。
あまりにも多くの恐怖と死を目の当たりにし、精神が破壊される兵士もいる。
調査兵団の退団者の中には、廃人のようになったり、誰かの助けがなければ生きていけない者も多かった。
リヴァイは、サクラがそうなっても・・・いや、そうなった時こそ妻として娶ろうというのか。
「その時は、俺がお前の肉体の足りない部分を補っていく。だから、安心して兵士を続けていい」
「兵長・・・」
「あと、覚えておけ。俺がそうなった場合は、絶対に結婚を考えるんじゃねぇぞ。お前の重荷になるくらいなら、死んだ方がマシだ」
「・・・・・・・・・・・・」
「だから、何が起きても、どんな体になっても、絶対に死ぬな。俺がその場にいる時は、必ずお前を守る。その場にいねぇ時は・・・」
エルヴィン、ハンジ、ミケ・・・
ここにいる三人の信頼する仲間に、サクラの命を託す。
その時、そこにいた者はサクラの両目から大量の涙が零れていることに気がついた。
「リヴァイ兵長・・・それはずるいですよ」
「・・・あ?」
「もし万が一にでも、貴方が日常生活に支障をきたすほどのケガを負ったら・・・私が貴方の手足、目や耳の代わりになることを許してください」
「サクラ・・・」
「リヴァイ兵長が重荷になったとしても、それを抱えることは私にとって喜びでしかないのですから」
兵士である間は、この心臓は人類に捧げられている。
しかし兵士を辞め、貴方の妻となった日には、心臓を含めて私の全てを貴方に捧げましょう。