【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第18章 Till Death Do Us Part ※
「私・・・どうしていいか分かりません・・・すごく幸せで・・・でも・・・」
「・・・でも?」
「今、この瞬間にも死んでいっている仲間がいるんです。そんな中、私だけがこのような幸せな思いをしていいものかどうか・・・」
孤独を恐れながら死んでいった同期の姿が目に浮かぶ。
それにここは壁外だ、明日にはまた少なくない人数の犠牲者が出るだろう。
だから今はどうしても喜べない。
すると、リヴァイはサクラの額にキスをした。
「だからこそ、今ここでお前に誓ったんだ」
「え・・・?」
「さっき、お前が死ぬ運命にあるかもしれないって言ったが、そりゃ俺にとっても同じこと」
「・・・・・・・・・・・・」
「俺はエルヴィンの駒だ。常にこの調査兵団の中で一番危険なことを引き受けるつもりでいるし、運が悪けりゃ死ぬこともあるだろう」
エルヴィンの命令に逆らわないだけじゃない。
彼や仲間が危険に晒されたら、リヴァイは自身のことは二の次にして守ろうとするだろう。
そういう人だ。
「考えたくねぇことだが・・・こうしてお前をこの腕で抱きしめてやれるのも、これが最後かもしれない」
「兵長・・・」
「だからこそ・・・今できること、やりたいことはやっておくことにした。悔いが残らないように、な」
そう・・・次の瞬間にも何かが起こって、二人は引き裂かれるかもしれない。
調査兵ならば、誰よりもそのことを理解している。
日々、死と向き合っているからこそ。
「そうですね・・・」
サクラの顔に笑みが浮かぶ。
そして、リヴァイがしたように自分の心臓を手のひらで抑えた。
「私も悔いを残さないよう、今ここでリヴァイ兵長に誓います。この命がある限り、貴方を愛することを・・・」
深呼吸をひとつ。
そして、リヴァイを真っ直ぐと見つめる。
「貴方の妻として、この命がある限りおそばにいます」
双方の誓いは、たてられた。
サクラの瞳から涙が零れ、リヴァイの瞳も揺れる。
そして、どちらからともなく唇を寄せ合い、
誰もいない礼拝堂で、深く口付けを交わした。