【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第18章 Till Death Do Us Part ※
「俺の運命はもう決まってる。最後の一匹まで巨人を殺すまでは、この自由の翼を背負って戦う」
エルヴィンのもとで調査兵として生きていくことを決めたあの日、自分の運命は決まった。
それからずっと巨人を殺して飛び回ってきた。
「だが、もしお前を待ち受けている運命が俺の仲間のような死だったら・・・定められた運命を捨ててお前を守る」
「リヴァイ・・・兵長・・・」
「この世界のすべての人間が巨人に喰われようが、殺された仲間の仇を打てなくなろうが、そんなのはどうでもいい」
リヴァイの両手がサクラの頬を包む。
三日月の細い光がステンドグラス越しに差し込んだ。
「お前の運命は、俺自身の運命よりも重い」
その瞬間、サクラの体が震えた。
リヴァイは人類の希望だ。
彼がいなかったらエルヴィンも、調査兵団組織も、相当の危険に晒されるだろう。
一個旅団相当の戦力を持つ男は、人類を裏切ることができるというのか。
この自分の命を守るためならば・・・?
「ここは、そう思える相手に誓いを捧げる場らしい」
「・・・え・・・?」
「俺は、サクラに誓おう」
頬から手を離し、リヴァイは自身の左胸に手のひらを当てた。
そして、真剣な瞳を向けてくる。
「俺の運命を犠牲にしても、お前を愛す。だからそばにいて欲しい」
「・・・・・・・・・・・・」
「調査兵団の部下や、恋人としてではなく・・・妻としてだ」
その言葉に、サクラの両目から堰を切ったように涙が溢れた。
「何故・・・泣く?」
そんなサクラを優しく抱きすくめながら、リヴァイは少し戸惑ったように呟いた。