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【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第18章 Till Death Do Us Part ※







人類領域外の調査、王政府の拡大政策が主だったはずの調査兵団。

845年のウォール・マリア崩落以降、その目的が大きく変わった。
いつか行われるだろう人類の領土奪還作戦のため、補給拠点確保、行軍ルートの開拓に重きが置かれるようになった。


エルヴィン・スミス考案の長距離索敵陣形のおかげで、巨人による死傷者は劇的に減ったというものの・・・


「うう・・・痛い・・・痛いよ・・・」

「頼む・・・殺してくれ・・・!」


それでも、毎回犠牲は出た。



床に寝せられた大勢の負傷兵。
ある者は右腕と脚を失い、またある者は五体は残っているものの骨がグチャグチャに砕けている。
治療の施しようが無く、大麻を使用して意識が混濁している者もいた。

サクラはその中に腰を落とし、傍らで横たわる同期の手を握っていた。

「サクラ・・・そこにいる・・・?」

「いるよ、さっきからずっと同じことを聞いてる。私はどこにも行かないよ」

努めて明るい声を出す。
すると、同期は微かに笑みを浮かべた。


「ごめんね、独りで死ぬのが怖いの・・・」


同期の目は、すでに光を失っていた。

彼女は、ディータ・ネス班所属だった。
右翼側の初列六・索敵を担っていた。

ハンジとともに三列中央にいたサクラは報告で知ったことだが、右翼側は10体を超える巨人との遭遇で壊滅的被害を受けたらしい。
ここに寝ている負傷兵達もほとんどが右に配置されていた者だ。

さらに、次列中央に構えるエルヴィンの班も巨人の襲撃によって一時離散せざるを得なかったと聞く。
その時、リヴァイが囮となって複数の巨人を一人で相手にしたらしい。

リヴァイがいなければ、もしかしたら調査兵団は巨人の領域の真ん中で、司令塔を失って右往左往していたかもしれない。
今よりも遥かに多くの犠牲が出ていただろう。

リヴァイ本人は涼しい顔をしていたが・・・


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