【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第18章 Till Death Do Us Part ※
「あいつは・・・調査兵団の中でも特に安全な所にいる。この俺のそばよりもな」
「ハンジ・・・か」
「・・・あのクソメガネは変態野郎だが、部下の命は何があっても守る」
基本的にエルヴィンと思考が似ているハンジだが、エルヴィンよりも部下の犠牲を嫌う。
そのため、作戦遂行よりも部下の命を優先することがある。
一方、自分はどの作戦においても一番危険な任務を担う。
それが当然だと思っているし、こればかりは他の兵士に押し付けるわけにはいかない。
調査兵団兵士長として戦いの最前線に立ち、巨人達には兵団の心臓であるエルヴィンに指一本触れさせない。
それが自分の使命だ。
だからこそ、サクラは自分やエルヴィンよりも、ハンジと一緒にいる方が安全だと思う。
何より・・・
自分は、サクラの命を守るためなら手段を選ばない。
もし、巨人に立ち向かって死に急ぐようだったら、躊躇なく両足を切り落とすだろう。
だけどハンジなら、もっと別のやり方でサクラを止めてくれる。
いつかの壁外調査で、ルドルフの死を目の当たりにして我を失った時・・・
命を投げ出そうとしたサクラを救ってくれた。
最小限の傷で済ませてくれた。
自分にはとてもじゃないが、できないことだ。
「ハンジになら、サクラを預けておける」
迷いのない瞳でそう呟いたリヴァイ。
エルヴィンへと変わらないくらいの信頼を、ハンジに寄せている証拠だった。
そんな兵士長に、エルヴィンは青い瞳を揺らし、口元に微かな笑みを浮かべた。