【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第18章 Till Death Do Us Part ※
初めてリヴァイと会った時、この男は自分に対して敵意を剥き出しにしていた。
自分を殺すことを目的として調査兵団に入ることを選んだ。
それから数年。
リヴァイの目的は、変わったのだろうか。
調査兵として生きるようになり、ここは奴の居場所となったのだろうか。
「ち・・・まだ他の兵士が見えねぇな」
小さな村のすぐそばを、団長と兵士長が馬で並走する。
エルヴィンの班と合流するまでにはもう少しかかりそうだ。
しかし、先ほど司令部の打ち上げた信煙弾が見えたから、方角は間違っていないはず。
雑草だらけの砂利道を進みながら、リヴァイはため息を吐いた。
「それにしても・・・随分と陣形が崩されたもんだな。被害は相当なんじゃねぇか?」
前触れも無く、長距離索敵陣形の司令部・次列中央に巨人が現れた時は流石に肝を冷やした。
索敵班が機能しなかった・・・ということは、彼らはもうすでにやられたのだろう。
「それを確認するためにも、早く隊列に戻らなければならん」
「・・・ああ・・・」
リヴァイは悔しそうに唇を噛んだ。
また、多くの兵士が死んだのか・・・
「リヴァイ」
「・・・・・・・・・・・・」
「お前、ブルームのことを心配しているのか?」
「あ?」
突然出たサクラの名前に、リヴァイが顔を上げた。
それを見て、エルヴィンが意味深に微笑む。
「お前はどうしてブルームを自分の班に入れない? 一番近くに置いて、守りたい命だろう?」
「・・・・・・・・・・・」
「お前の目の届かない場所で、彼女の運命が左右されていたらどうする」
団長の問いかけにすぐには答えようとせず、馬を走らせる。
少しして、黒髪の間から三白眼を向けた。