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【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第17章 Painting Of Love






数時間後、外はすっかりと暗くなっていた。
デッサンは終わり、下絵もかなり進んだ。
あとはモデルがいなくても仕上げることができる。

「お疲れ様でした・・・もうモデルは結構です」
「大丈夫ですか? とてもお疲れのようですが」
「はは。大丈夫ですよ」

しかし、流石に一日で二枚の絵に取り組んだためか、画家は酷い疲労感に見舞われていた。


「どれくらいで出来上がりそうですか?」

身支度を整えながらも、サクラは未完成の絵を見ようとはしなかった。
出来上がってからのお楽しみにとっておきたいそうだ。

「そうですね、1カ月もあれば二枚とも完成すると思います」
「では、天使の絵のモデルはいつすればいいでしょうか?」
「その事なんですが・・・」

画家は、サクラをモデルに描くのは天使ではなく、防壁の女神にしたいと告げた。

「私が三女神のモデル・・・? 少し畏れ多い気もしますが・・・」
「サクラさんは天使よりもそちらのイメージが合っていると思うんです。素晴らしい絵にしますので、ご安心ください」
「はい・・・貴方がそう言うのなら・・・」

そう言って、画家に微笑んで見せる。

「1カ月後・・・ということは、次の壁外調査の後ということになりますね」
「また壁外に行かれるんですか?」
「はい。まだ、正式に決定したわけではありませんが、第55回壁外調査が予定されてるんです」
「・・・・・・・・・・・・」

壁外調査・・・
忘れていたが、サクラは巨人が支配する壁の向こうに行く兵士なんだ。
自分のような普通の人間には、想像するだけで震えるほど恐ろしい世界。

分かっているはずなのに、そんな場所には行って欲しくないという気持ちが湧き上がってしまう。




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