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【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第17章 Painting Of Love






1時間ほどでデッサンを終えると、休憩を挟んでさらに2時間。
今度は油絵の具で大まかに色をおいていった。
重要なパーツだけ彩色できれば、あとはモデルがいなくてもなんとかなる。

そこまで済んだところで、画家は二人に声をかけた。

「お疲れ様でした、もう結構です」
「終わったのか?」

リヴァイは少し意外そうにした。
半日はかかる作業だと覚悟していたからだ。

「いえ、まだ6割といったところでしょうか。しかし、あとは一人でもできる作業ですので」
「そうか・・・」
リヴァイは長時間じっとしていたせいか、億劫そうに立ち上がった。
そして、サクラにローブを羽織らせると、自分は裸のままキャンバスの方へとやってくる。
「見てもいいか?」
「まだ細かい部分は描けていませんが、どうぞ」
「・・・・・・・・・・・・」
画家の肩越しにキャンバスに描かれた、荒削りな自分とサクラの姿を見つめる。


リヴァイは、芸術に関して疎い。
どのような絵が優れているかなんて分からない。

しかし、画家が描いた未完成の絵を見て、言葉を失った。


「・・・・・・・・・・・・・・・」


自分とサクラは、ただクッションに体を預けていただけ。
それなのに、キャンバスの中にいる自分たちは、まるで楽園にいるように幸せそうだ。

他人にはこう見えているのだろうか・・・


サクラをこの腕の中に収めている時の自分・・・
こんなにも穏やかな目をしているとは。

自分に抱かれている時のサクラ・・・
こんなにも嬉しそうに微笑んでいるとは。


見ているだけで胸が温かくなる。




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