【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第17章 Painting Of Love
「では、こちらへ」
クッションを並べた場所へと二人を案内する。
そばの暖炉には火が灯されていた。
まだ季節的には少し早いが、一糸纏わぬ姿で長時間じっとしていなければいけない二人への配慮だった。
「で、どのような格好でいればいい?」
リヴァイが怪訝そうな顔で画家に尋ねた。
絵など描いてもらったことがないので、ポーズをどうとればいいの分からない。
すると画家は微笑みながら肩をすくめた。
「寄り添い、ラクにしていてください。このクッションの上に寝ても構いませんし、立ったままでも大丈夫です」
「適当でいいのか?」
「はい。私の存在は忘れ、この部屋にはお二人だけしかいないようなつもりでお願いします」
「・・・分かった」
リヴァイは頷くと、傍らにいるサクラのローブに手をかけた。
「大丈夫か?」
気遣うように聞き、サクラが頷くのを待ってから腰の紐を解く。
前合わせになっていたローブがはらりと開き、胸の谷間から臍までが露わとなった。
「本当に嫌じゃねぇんだな?」
「はい。この部屋に入る時は緊張しましたが、兵長が躊躇なく素っ裸になっているのを見て気が抜けちゃいました」
“それに、言い出したのは私ですしね”と笑いながら、少し伸びて左目にかかっているリヴァイの前髪を払う。
「そうか・・・」
サクラがこの場にいるというだけで、兵士長の雰囲気がまるで違う。
それだけで彼女の存在がどれほどのものか、容易に想像がついた。
「俺は嫌だがな」
やはり、サクラの裸は自分だけのものにしていたい。
それでも渋い顔で溜息を吐きながら、かろうじて肩にかかっていたローブを完全に下ろす。
すると、画家がずっと想像を巡らせ、描きたいと願ってきた裸体が姿を現した。