【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第3章 Seize the Light
時計を見ると、もう1時を回っている。
しかし、ハンジの言った通り、談話室から小さな灯りが漏れていた。
木の扉を開けると、6台あるテーブルの一番奥に座っている人の影が見えた。
ランプをほとんど点けておらず、ロウソクの灯りだけなので分かり辛いが、確かにリヴァイだ。
「兵長、少しだけ宜しいでしょうか?」
「・・・お前か。何だ、こんな時間に」
リヴァイは顔をしかめた。
手元には冷め切った紅茶が入ったカップが置いてある。
そしてテーブルに几帳面に畳んで置いてあるジャケットの下に、数枚の汚れた腕章が見えた。
「兵長にお願いしたいことがあって参りました。ハンジ分隊長に伺ったら、ここにいらっしゃるだろうと・・・」
「だから、何だ?」
サクラは、リヴァイの目の前にフリーダの腕章を置いた。
「これは、フリーダという第一分隊第二班所属のものです」
「・・・お前の友人と言っていたな?」
リヴァイは怪訝そうにサクラを見た。
「これを・・・受け取ってもらえないでしょうか」
「・・・・・・?」
サクラは震える手で拳を握った。
「兵長の直接指揮下にはいませんでしたが・・・フリーダは生前、言っていました・・・」
そう・・・
あれは、調査兵団に入団した翌日だった。
“私にはリヴァイ兵長のように、4000人分の力があるわけじゃない。でも、弱い力だからこそ、立ち上がらなきゃと思ったの”