【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第17章 Painting Of Love
「・・・おい・・・なんて面してる」
申し訳無さそうに俯くサクラを、兵士長はじっと見つめた。
そして、そっと頭を抱き寄せる。
「ごめんなさい・・・もし兵長が嫌なら諦めます」
「謝るな・・・俺は何も、やらねぇとは言ってない」
「え・・・?」
「お前の裸を他の男に見せるのは今でも納得してねぇが・・・それもまあ、仕方ねぇ」
サクラの顎を優しく掴み、上を向かせた。
「お前が望んでいることだ、俺にはそれを拒む理由がどこにもない」
ポンポンと頭を撫で、頬に軽くキス。
相変わらず無表情のままだが、サクラに対する深い愛情が、端で見ているこちらにまで伝わってくる。
「・・・・・・・・・・・・」
画家は、そんな二人を目の前にし、胸が高鳴っていた。
自分も彼女を愛する一人として、気持ちは複雑だ。
リヴァイのようにサクラをこの腕の中に収めることができたらと願ってやまない。
しかし・・・
一人の画家としては、この二人を描ける事に興奮さえ覚えた。
二人がどのようにして出会い、
どのようにしてここまで愛情を育ててきたのかは分からない。
人類の活動領域外に足を踏み入れ、命を懸ける二人だ。
おそらく画家の想像を超える悲しみや、痛みを乗り越えてきているのだろう。
この二人を、キャンバスの上に描きたい。
深く、美しい愛情を残したい。
自分の才能に余る試みかもしれないが・・・・・・
そう思ってしかたがなかった。