【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第17章 Painting Of Love
「兵長。この方は画家で、調査兵の間ではこの方に肖像画を描いてもらうのが流行っているそうですよ」
「画家? そいつがなんで、お前とここにいる」
「先輩の絵を届けてくださったので、私が門まで案内して差し上げてるところです」
「・・・で、ついでにお前の花も見せていたのか」
画家の爪先から頭のてっぺんまで、刺すような目で見つめる。
背筋が凍りそうだ。
「・・・・・・・・・・・」
しかし、害の無い人間だということが分かったのか、ふとリヴァイは表情を緩めた。
「そうか・・・」
高圧的な態度は消え、サクラに優しい目を向ける。
特別な想いを彼女に抱いていることは明らかだった。
そして、サクラもまたそんな兵士長を前にして、幸せそうに微笑んでいる。
「サクラ、案内が済んだら俺の執務室に来い」
「了解しました」
「エルヴィンの所から戻ってねぇかもしれないが、勝手に入ってて構わない」
「はい」
すると、リヴァイはとても穏やかな顔で、部下であるはずのサクラの頭を撫でた。
このようなスキンシップは当たり前なのか、サクラも嬉しそうにしている。
まるで、この二人は・・・
一瞬、認めたくない考えが頭をよぎり、画家は首を横に振った。