【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第3章 Seize the Light
「これを・・・どこで・・・?」
「市街地を出て5キロほどの地点だ。俺が駆け付けた時にはもう、胸から下は残されていなかった・・・」
「う・・・そ・・・・・・」
“私は巨人を見たことがない。でも、恐ろしさは分かる。サクラ、あなたのような普通の女の子を兵士へと変えてしまうほどの存在なんだもの”
そう言っていた、フリーダ・・・
初めて巨人を目の当たりにして、どんな思いだっただろう。
「兵長は・・・戦いの中で、これをわざわざ・・・」
「・・・死体の回収ができそうになかったものだけだがな」
そう。
ここにある名前は、どれも“行方不明者”のもの。
死んでしまったんだ・・・・・・
悲痛な沈黙が流れる。
みんな、朝まで生きていた。
人類の未来のために、恐怖を押し殺して壁の外に出て来たんだ。
「・・・これは、兵士が命を賭して戦った証だ」
リヴァイは、眉一つ動かさずに言った。
もう何度も目にしてきた光景なのだろう。
何度も・・・?
そう言えば、ここにある名前はどれも102期のもの。
リヴァイにとってはどれも“新顔”だったはずだ。
普段は顔を合わせる機会の無かった者もいたはず。
いくら回収が見込めないものだけと言っても、巨人を相手にしながら全ての腕章をもぎ取る余裕があったとは考えにくい。
でも、初陣だった102期の兵士だけならば・・・可能だったかもしれない。
少なくとも、一つも間違えずに102期だけの腕章を渡してくるとは・・・
もしかしたら、この人は・・・・・・