【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第16章 Light A Fire In The Heart ※
「・・・・・・・・・・・・」
エルヴィンは、自ら希望してリヴァイとサクラの三人だけとなったのに、何も話そうとしない。
「エルヴィン」
低い声で沈黙を破ったのはリヴァイだった。
自分とサクラの正面に立っている団長を、複雑な表情で見つめる。
「・・・なんて面してやがる・・・」
わずかな光にかろうじて見えるエルヴィンは、微笑んでいるようにも、悲しんでいるようにも見えた。
団長はゆっくりとまばたきをすると、無言のままサクラに歩み寄る。
「・・・・・・・・・」
そして、両手でサクラの頬を包み、そっと上を向かせた。
「だ・・・団長・・・?」
こんなに近くでエルヴィンの顔を見るのは初めてだ。
なんて整っているのだろう。
そして・・・
なんて深い瞳をしているのだろう。
全ての感情を包み隠してしまっている。
未熟な自分には、団長が何を考え、何を感じているのかが分からなかった。
すると、碧眼が切なげに揺れた。
「・・・サクラ・・・君に感謝したい」
「・・・え・・・?」
頬を包むエルヴィンの手がわずかに震えている。
どうしていいのか分からず見上げると、唇同士が触れそうな距離にまで顔を近づけられた。