【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第16章 Light A Fire In The Heart ※
何故、二人はここに?
いや、何故、この二人がここに?
それはサクラとロゼが同時に思ったこと。
灯りの差し込まない暗い路地でもサクラはロゼを、ロゼはサクラをはっきりと認識していた。
最後に会ったのは、訓練兵団解散式の夜。
1年半も前のことだが、互いに大切な親友を忘れるわけがない。
「ロゼ・・・」
美人で、聡明で、何をやらせても完璧にこなす優秀な兵士。
なのに、まったく気取ったところがなく、102期生の憧れの的だった。
首席で憲兵団に入ったそのロゼが、なぜ調査兵団団長と人目をはばかるように待合宿にいたのか。
目の前の状況を理解できず、ただ幻を見ているかのように立ち尽くす。
「サクラ、あの女のことを知っているのか・・・?」
リヴァイが嫌悪感たっぷりの目でロゼを睨みながら呟いた。
「あの野郎は・・・」
言い終わるのを待たずに、夜空にまで響く声が静寂を破る。
「サクラ!!」
まるで、泣く寸前の幼子のような震えた声。
被っていたフードを取り、こちらへ駆けてくる。
ロゼは以前よりずっと髪が伸び、輪郭も細くなって、美しさに磨きがかかっていた。
そして次の瞬間、強く抱きしめられる。