【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第16章 Light A Fire In The Heart ※
「あの・・・私のような者がリヴァイ兵長の連れだと思われたら迷惑かな、と思って・・・」
「あ? 迷惑って、なんだそりゃ」
「だって兵長、どこに行っても注目を浴びているではないですか」
街に出れば、すれ違う人はみんなリヴァイに気がついて振り返る。
“ アレが人類最強とされる兵士だとよ ”
“ 本物か? 随分と小さいな ”
“ 片手で巨人を捻りあげるらしいぜ ”
劇場に着けば、貴婦人達がこぞってリヴァイと話をしたがる。
“ リヴァイさん、今度壁外のお話を聞かせてくださいな ”
“ 噂よりも小柄で美男子ね。こちらで一緒に見物しません? ”
調査兵団のリヴァイ兵士長の名は、想像以上に広く知れ渡っているということを痛感した。
やはりこの人はすごい。
自分が釣り合い取れるわけがないんだ。
そんな思いをよそに、リヴァイは不機嫌な顔でサクラを睨んだ。
「お前を連れていることを他人にどう思われようが、俺は気にしない」
「・・・・・・・・・・・・」
「お前は兵舎でもそうだな。人がいる時は露骨に俺を避けやがって・・・俺と一緒にいて迷惑だと思っているのはお前の方なんじゃねぇのか?」
部下達にサクラとの仲を知られたって構わない。
兵団内での恋愛が禁止されているわけでもないし、自分の恋人だからといってサクラを特別扱いしているわけでもない。
何も問題はないだろう。
・・・いや、この芝居に来るために兵士長権限を利用し、特別にサクラを非番にしたが・・・
それだって、ハンジをうまく丸め込んだ程度だから許されるはず。
リヴァイはため息を吐くと、サクラの方に寄った。