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【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第3章 Seize the Light


壁外調査からの帰還は大きな危険を伴う。

兵士や馬が体力を消耗しているだけでなく、立体機動装置のガス切れなど物資が足りなくなっていることがあるからだ。

長居は巨人と遭遇する確率が高くなるため、
作戦を終えたらすぐに撤退しなければいけない。

陽が完全に落ちる前に戻らなければ。
本部に集まった生存者は荷作りを急いで行っていた。


慌ただしく兵士が行き来する中、ハンジと別れたサクラはフリーダの姿を探していた。

どこかで馬の世話をしているはず。
それとも犠牲になった兵士の亡骸を運んでいるのかもしれない。

「フリーダ!」

返事がない。
皆、憔悴しきった様子で作業をしているため、サクラに気をとめる者などいなかった。

「フリーダ・・・?」

女兵士の顔を一人一人覗き込んでみるが、その姿を見つけることができない。


嫌な予感がする・・・

彼女はどこの配置についていた・・・?
確か、右翼前方の索敵班・・・初列・・・?
いくらなんでも新兵のフリーダにその位置を任せるとは思えない。

そういえば、最初の巨人確認の信煙弾はどこから発砲された?
作戦遂行不能な痛手を告げる黄色の煙弾はどこから・・・?
右翼側だったか・・・?
いや、左翼だったかも。そうに違いない。

本当は・・・どっちだったか覚えている。
しかし、それを認めたくなかった。

「・・・・・・そんなわけない」

ガタンと無造作に荷台に積み上げられて行く死体。
サクラは絶望的な気持ちで、冷たくなった体を包んでいる麻布をほんの少しずらし、顔を確認していった。

「ブルーム、お前も作業を手伝え!新兵のくせにサボってるんじゃねぇ!」
遺体を収集していた兵士がイラつきながら怒鳴る。
皆、心の余裕はどこにも無かった。
「あ、はい・・・申し訳ありません・・・」
とりあえず、この山の中にフリーダの遺体は無かった。
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