【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第3章 Seize the Light
本部に合流した時、すでに夕陽が世界を赤く染めていた。
まるで、犠牲となった兵士を弔うかのように。
巨人捕獲に成功したハンジは、サクラを見つけると目に涙を浮かべながら抱きしめてきた。
ありがとう、ありがとう・・・と何度も呟きながら。
リヴァイはそんな二人を、少し離れた場所で静かに見つめていた。
何か思うところがあるのだろう。
眉間にシワを寄せ、ほんの少しだけ瞳が揺れた。
そして、何も言わずその場から立ち去る。
「本当にサクラのおかげだよ」
「私はただ走っただけです・・・おかげと言ってくださるのなら、命を犠牲にしてくれた方々へ言ってあげてください」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
ハンジは黙ってサクラから離れると、微笑んだ。
しかし、夕陽が眼鏡に反射し、その表情までは読み取れない。
喜んでいるのか、
それとも・・・・・・
「・・・太陽が・・・赤い・・・」
燃えるような太陽。
家族を失ったあの日から初めて・・・
美しいと思った。