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【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第15章 A Lullaby In My Heart




エレンは、自分よりも小柄なリヴァイを見つめた。


憧れてやまない、人類最強の兵士。
ずっと遠い存在だと思っていた。
いや、実際にそうなのだろう。

なのに、何故だろう。

この人の周りには、とても懐かしい空気を感じる。



「ラベンダーの・・・美しい青・・・」


エレンの口から、静かなメロディーが零れた。


「ラベンダーの・・・瑞々しい緑・・・」


リヴァイの瞳が大きく開く。


「あなたが王様なら・・・わたしは女王になりましょう・・・」


リヴァイ兵長。
もしかしたら貴方は、この歌を知っているのではないですか?


「誰がそう言ったの・・・誰がそう決めたの・・・」


オレが世界で一番好きな歌です。
優しい声で歌ってもらうと、どんな嫌なことでも忘れられました。


「それはわたしの心よ、美しい人」


エレンよ・・・俺は、残念ながら、この歌を知らない。
でも・・・


「私の心がそう決めたの・・・」


そのメロディーは聞いたことがある。
綺麗な色で溢れた、美しい世界の中で耳にしたような気がする。



「エレン・・・その歌を最後まで歌ってくれ」



このラベンダーの花の前で・・・

あの一番幸せだった時間が戻るような気がするから。


リヴァイはそっと目を閉じた。




ラベンダーの美しい青
ラベンダーの瑞々しい緑
あなたが王様なら
わたしは女王になりましょう

誰がそう言ったの?
誰がそう決めたの?
それはわたしの心よ、美しい人
わたしの心がそう決めたの

ラベンダーの美しい青
ラベンダーの瑞々しい緑
あなたが王様なら
わたしは女王になりましょう



こんなに優しいメロディーを、他に知らない。

サクラ。
お前が歌うそれを、もっとちゃんと聞いておけば良かった。

この歌詞のように、お前がずっと一緒ににいてくれるのなら・・・

俺はどんな汚れ役でも引き受けよう。
地獄に身を堕としてもいい。

だから教えてくれ・・・
どうすれば、あの一番幸せだった時間を取り戻せる?

俺には分からない・・・



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