【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第15章 A Lullaby In My Heart
人は死んだら星になる。
あの幾千もの光の中に、お兄ちゃんはいるのだろうか。
もしいたとしたら、リヴァイ兵長に寄り添う私を見て笑っているかもしれない。
いい人に出会えたね、と。
「リヴァイ兵長、貴方は・・・」
リヴァイの手に自分の手を重ねる。
「この手で、私を何度も救ってくれた」
リヴァイの瞼に触れる。
「この目で、私をいつも見守ってくれる」
リヴァイの唇をなぞる。
「この唇で、私への気持ちを言葉にしてくれる」
そして、微笑んだ。
「私は幸せです。初めて愛した男性が、こうして私を包んでくれる・・・」
貴方と同じ時を生きることができて、本当に良かった。
ここは巨人の脅威に晒された、救いの無い世界。
そんな世界だからこそ二人は兵士となり、出会った。
こんな世界でも命あり、触れ合うことができる。
だから・・・
「リヴァイ兵長」
貴方がどのような過去を持っていてもいい。
「サクラ」
お前がどのような過去を隠していてもいい。
こうして二人でいられることが幸せだから。
この時間がいつまでも、いつまでも、続けばいいと願う。
重なり合う唇。
優しく照らす満天の星空。
永遠という言葉は幻だということを、
絶対という言葉は存在しないことを、痛いほど知っている。
事実、永遠で、絶対だと信じていたウォール・マリアが巨人によって、いとも簡単に壊された。
それでも、今はそれを願って仕方ない。
それだけ、無力ながらも愛している。