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【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第3章 Seize the Light


「私は死なない!」

約束は破らない!

太い腕がこちらに伸びてくる。
何とか剣を構えることはできた。
しかし、立体機動で上へ飛ぶことができない。

もう少しで頭を掴まれるかと思った、まさにその時。


あの閃光が再び走った。


ドシンと巨人の腕が肘から落ちる。
何が・・・起きたのだろうか・・・?
かろうじて視界が捉えたのは、巨人の頭上に佇む冷徹な瞳をした兵士だった。

そしてまるでスローモーションのように、巨人のうなじから真っ赤な厚い肉片がゆっくりと落ちて行く。

血肉の蒸気に触れるのを嫌ったのか、兵士は軽く回転しながら空へと舞い上がった。

あの動き・・・


「リヴァイ・・・兵長・・・」


巨人に致命傷を与えた瞬間はおろか、切りかかる姿すら見えなかった。

脳震盪の症状と、安堵したのとでサクラは地面にへたり込んだ。

「ちっ・・・こんな雑魚に手こずってるんじゃねぇ」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・おい」
サクラに反応が無かったため、怪訝な顔をしながら降りてくる。
「生きているんだろ?」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・ションベンでも漏らしたか?」
「も、漏らしてません!」

屈辱的な疑いをかけられる前に我に返って良かった、ほんとに!

「助けてくださって、ありがとうございました」
「あ?」
頭を下げたサクラを見て、リヴァイは顔をしかめた。


「何言ってる・・・“後ろを頼む”と俺に指示したのはお前だろ」


え・・・?
あれは、あの場を頼みますという意味だったのだが・・・

ということは、巨人を倒した後、自分を追いかけてきてくれたというのか?

「おい、立てるのか?」
「はい」

手は貸さないものの、サクラがしっかりと立ち上がるまで目を離さない。
そして深刻な怪我を負っていないことを確認し、背を向けた。
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